部隊編成(陸編)

軍集団・戦域軍・方面軍・総軍(コマンド・セクター)
指揮官:元帥〜大将 数個の軍を纏めた方面部隊(西部方面軍、東部方面軍、満州軍etc)または該当地域の作戦を担当する一国家戦略規模の戦線を担う部隊。
軍(アーミー)
指揮官:元帥〜大将
参謀長:大将〜少将
二〜三個軍団+予備師団等、連隊、独立大隊+支援部隊。大規模な軍司令部がおかれ、戦略規模での活動がおこなわれる。また独立した補給体制を持ち、兵站参謀長(大佐〜中将)などもおかれる事がある。近年ロシア陸軍では師団がほぼ廃止され軍の下に各種旅団が直属する方式がとられ即戦能力が高められている。
軍団(コープス)
指揮官:大将〜中将
参謀長:中将〜少将
ナポレオンが編成した部隊編成
二〜四個師団+予備師団、連隊、独立大隊+支援部隊
通常あまり副軍団長はおかれず、もしもの場合は隷下師団の師団長が一時軍団長を兼任する
主にヨーロッパの軍隊で編成される事が多く、日本では軍団に該当する部隊は存在しない(自衛隊の方面軍は規模的には・・アメリカ軍の主力師団並であるが編成内容的に上位の軍に相当する。また旧軍でも師団の上は軍であった)
師団(ディビジョン)(師)
師団長:中将〜少将
副師団長:少将〜准将
参謀長:大佐
師団副官:少佐〜大尉
各参謀:中佐〜大尉
兵員:20000〜6000名前後
各兵科を統合した諸兵科連合部隊(歩兵、砲兵、戦車、機械化、工兵、対空、後方部隊などなど)また師団司令部がおかれ、参謀長(大佐)作戦、情報、兵站、航空各参謀(中佐〜大尉)が指揮官に助言、情報を与える。
旧軍では四単位師団(四個歩兵連隊+一個砲兵連隊+α)と三単位師団(三個歩兵連隊+一個砲兵連隊+α)などがあり、現代においては3個戦闘旅団(連隊)+砲兵連隊が主流であるようである。

また戦車(機甲)師団と機械化師団の違いとして、戦車師団の場合、二〜三個戦車連隊+一個機械化連隊であり、機械化師団の場合は逆に二〜三個機械化連隊+一個戦車連隊で呼び方がかわるようである

現代のアメリカ軍の師団は戦闘旅団4個、航空旅団1個、火力旅団1個、後方支援旅団1個で編成され、任務に応じてさらに旅団が追加される。その力は旧師団、各国の師団とはケタ外れの戦力を保有している。(自衛隊の方面隊以上の戦力といっていい)

ちなみに機械化〜とは歩兵戦闘車や装甲車両などに乗り込んだ戦車と随伴できる歩兵部隊であり、トラックに乗ってたりするのはただの歩兵か自動車化歩兵です
(トラックで戦車についていっても戦車を狙った流れ弾や砲の破片に当たって全滅しちゃいます。例外として旧ソ連軍の機械化部隊と名乗った部隊で戦車の上に乗っかって戦線にいったものの、たどり着いた時には戦車を狙った砲の破片でミンチになってたことがよくありました(タンクデサント)ソ連ではヨクアルコト)

ついでに騎兵部隊なのですが昔はお馬さんでしたが現代ではヘリや装甲化された偵察部隊などの即応部隊につけられるようです(映画で騎兵隊の登場だ〜!とか言ってるのは単に増援の事を言っていたりするので上記の部隊でないことが多いです)
旅団(ブリゲート)(旅)
指揮官:少将〜大佐
兵員:9000〜3000名前後
2〜3個連隊+α若しくは4個大隊+支援大隊・旅団本部・本部中隊程度で編成された部隊
現在のアメリカ軍では連隊はあまりおかれず、各諸兵科大隊をまとめ即戦能力を高めた旅団を師団の下においている。
また独立旅団として有名なところでストライカー旅団(ストライカー装甲車とその改良型で編成された高速機動部隊)などがある。
ちなみに旧日本軍では多数の独立混成旅団(略して独混[どっこん])を138個も編成し広大な中国戦線の守備につかせていた。
戦闘団(コンバット・コマンド)
指揮官:規模により変化

複数の兵科(歩兵、砲兵、戦車など)戦闘部隊が、諸兵科連合部隊として単一の部隊として編成されたもので、先駆けは第二次大戦のドイツ軍のカンプグルッペである。諸兵科連合部隊は、様々な規模で編成されるが、戦闘団の名称の場合には主に連隊を中心とした連隊戦闘団と大隊を中心とした大隊戦闘団、各大隊を統合した戦闘団(コンバット・コマンド)がある。
現代の戦闘団は主にアメリカの旅団戦闘団(各大隊を統合し最低限の後方支援部隊を有した即戦部隊)や自衛隊の普通化戦闘団(普通化連隊を中心とした戦闘団)、戦車戦闘団(戦車連隊を中心とした戦闘団)などがある。戦闘団の指揮はその中心となった部隊、例えば普通化戦闘団であれば普通化連隊の指揮官がとる。但しこの場合自分の連隊の指揮と戦闘団の指揮を行わねばならず多忙を極めた。アメリカ軍の旅団戦闘団は戦闘団司令部が独立しており、指揮官は戦闘団の指揮に専念できた。

連隊・群(レジメント)(團)
連隊長:大佐〜中佐
副隊長:中佐〜少佐
連隊副官:大尉〜中尉
連隊幕僚:
兵員
歩兵連隊:3000〜1200名前後
機甲連隊:80両上下
砲兵連隊:編成により上下
3〜4個大隊+αで編成(機甲連隊の場合大抵は二個大隊+α)
駐屯基地を持ち、策源地のある大型部隊の為、策源地の名前をとった連隊(スタッフォードシア連隊など)も多数存在する。公式名称でなくともその地の名前で呼ばれる事が多い。
また古来より存在する編成の為、その連隊に由来する人名や、その連隊に所属した将官の名前がつけられる事もある。

自衛隊、フランス陸軍などでは現在では中隊の上位部隊を大隊ではなく連隊にしている為、大隊兵力(600〜1000名)で連隊となっている部隊が多い

古くは連隊単位での戦闘が多かったものの
近代になってからは、歩兵連隊や戦車連隊単独で戦う場面はすくなく(諸兵科連合ではないため、即戦能力に劣る)その為
第二次大戦、ドイツ軍では主力連隊や大隊に支援部隊をつけた戦闘団(カンプグルッペ)やアメリカ軍の戦闘グループ、日本での兵団などがあり、現代にいたってはアメリカ軍なのでは一部部隊(海兵隊など)を除いて連隊は姿を消しつつある。

砲兵連隊の場合、この規模になると実際に砲を扱う部隊のほかにも観測部隊や補充部隊、現代ではロケット砲、MLRS(多連装ロケットシステム)なども編成される事がある


航空機の場合は飛行群(グループ)指揮官は大佐で所属機体数は17〜48機(3個飛行隊〜)+整備要員
大隊(バタリオン)(スコードロン)(営)
大隊長:中佐〜少佐
副隊長:大尉
大隊副官:中尉〜少尉
大隊幕僚:少佐〜少尉
兵員
歩兵大隊:1000〜600名前後
機甲大隊:42〜24両
機械化大隊:42〜24両
砲兵大隊:42〜24門

航空機:24機
ローマ時代に編成された部隊編成。
司令部中隊・3個〜4個中隊+小隊で構成される部隊。戦車、機械化小隊の場合は戦車、戦闘車両36両前後で編成。また整備小隊〜中隊、また対空部隊が付属される。
指揮官は少佐、中佐、副大隊長は大尉、旧軍では大隊長副官として中尉がつく。大隊本部には大隊幕僚がおり、各幕僚としてS1人事、S2情報、S3運用訓練、S4兵站・後方がつく。各幕僚主任は少尉〜少佐でその下にS1人事班・庶務・援護・文書後方、S2情報、S3作戦・連絡・運用・指揮情報、S4通信機材・運搬給与燃料・武器弾薬化学・衛生・車両施設・需品被服出版物経費などの担当がおり、S-3の作戦・連絡以外はそれぞれ軍曹〜曹長が勤めた。

砲兵大隊などでは実際に砲を扱う砲兵中隊が2〜3個、その他に観測、偵察、連絡、整備、弾薬補給等の各小隊がつきます。また砲兵大隊は主力となる歩兵、機械化連隊の後方に配置され援護射撃をおこないます。
また射撃指揮統制を行う射撃指揮班(FDC)があり、指揮官として大隊射撃指揮幹部(S3主任兼任)、射撃指揮補佐幹部(大隊用訓練幹部が兼任)、算定長・算定軍曹・算定図軍曹、通信手などが所属し各射撃中隊に指示を与えます。彼らFDCの人員は通常大隊S3で勤務しております。

ローマ期には筆頭百人隊長。兵員は現代と同じく600〜1000名ほど
昔はあまりパッとしない編成であったが近代の火力の向上により現代では戦術戦闘の主役となっている。

中隊(カンパニー)(連)
中隊長:少佐〜大尉
副隊長:大尉〜少尉
中隊幕僚:軍曹
兵員
歩兵中隊:200〜90名前後
機甲中隊:14〜9両
機械化中隊:14〜6両
砲兵中隊:12〜4門
航空機:16〜6機(飛行隊)
中隊本部+3個小隊+対戦車分隊、迫撃砲班等で構成される部隊。戦車、機械化小隊の場合は戦車、戦闘車両9〜14両前後で編成、砲兵などでは弾薬補充の為に補充の為の班や小隊なども付属される。
指揮官は大尉、少佐、副中隊長は少尉〜大尉で、中隊本部要員として中隊付准尉(指揮官補佐、人事担当)各軍曹(運用訓練軍曹・通信軍曹・部隊補給軍曹・弾薬補給軍曹・火器軍曹・無線通信軍曹・車両整備軍曹・給養軍曹)に車両操縦手等で編成される
独立行動可能な最小単位で(特別な任務で無い限り中隊から補給、指令を受ける。)
平時の編成は中隊がまででその下の小隊は戦時編成、その為徴兵された兵士は中隊所属として内務班(戦時での小隊)で鬼軍曹の下訓練を行います。
また兵士、下士官の人事権も中隊にあり、中隊付准尉が部隊編成、担当人事を担当する。
下士官、兵士は特別な事が無い限りは所属は最初に入った中隊のままであり、これは将校にならない限りかわりはない。(他の部隊の教官などに行っても、これは出張扱いで所属は元居た中隊)その為中隊は兵士、下士官の我家、おなじ釜の飯を食った仲となるわけである。

砲兵中隊などでは実際に砲を扱う砲兵小隊が2個、その他に射撃統制班などが中隊本部、指揮小隊の下に観測班・通信班・機関銃班などがつきます。

対空部隊などになると中隊本部の機能がさらに強化されます。

ローマ期では百人隊相当。百人隊といっても実際に百人ではなく、80上下だったようである。この一隊が密集隊形をとって敵と対峙した。

戦闘時は最前線部隊として中隊長自ら前線に立たなくてはならず、中隊長は平時も戦時も忙しい身分である。


航空機の場合は飛行隊(スコードロン)は指揮官は少佐〜中佐。6〜16機(3〜4飛行中隊)+整備要員である。
小隊(プラトゥーン)(排)
指揮官:少尉〜曹長
指揮官補佐:曹長
3個〜4個分隊+班等で構成される部隊。戦車、機械化小隊の場合は戦車、戦闘車両2〜4両前後で編成。通常は僚機×2の4両編成、航空機も編隊(2機)×2の4機だが任務によっって上下がある。
機指揮官は少尉で小隊軍曹(曹長)が指揮を補佐する。
砲兵部隊ではその他に偵察班、弾薬班、射撃統制班などがつきます。

航空機の場合、隊長機・軍曹機と曹長機と新兵という形の編成が多い。三機編成の場合は隊長機、軍曹〜曹長機、新兵機の編成になるのだが、それぞれ二機を見なくてはならないので、僚機のカバーに入りづらく、熟練パイロットでないと難しい編成である。爆撃機などの場合は三機編成で△状に隊形をとり密集して対空火力を集中させる。
現代戦においては飛行小隊の指揮官は大尉で所属機体数は4〜6機(二個分隊)+整備要員である。
兵員
歩兵小隊:60〜30名前後
機甲小隊:5〜2両
機械化小隊:5〜2両
砲兵小隊:4〜2門
航空機:6〜2機(飛行小隊)
分隊(スクァッド)(班)
分隊長:軍曹
副指揮官:伍長〜伍長相当官
兵員10名前後で構成される現在最小単位の部隊。この他に分隊を二つに分けた半個分隊、A・Bチーム・班などがある。
指揮官は軍曹で、分隊の約半分を伍長が指揮する。
また機械化部隊などでは歩兵戦闘車一両+乗組員で一個分隊であり、全体指揮官が分隊長、戦闘車の車長が副分隊長扱いになる。
戦車の場合は車長が分隊長相当、航空機も同じ
砲兵の場合は砲1門+操作人員で一個分隊になり、指揮官が分隊長である。
兵員:
歩兵部隊:10名前後
航空機2機