五百石級
軍役:本人(馬上)・侍2・立弓・甲冑持・槍持・馬の口取り2・草履取・挟箱持・小荷駄2:計十二人
役職 大概順 位階 役高 御役料 殿中席
41 御小姓
諸太夫 -
42 中奥御小姓衆 諸太夫 山吹
44 御台様様御用人 布位 500俵 300俵 桔梗
45 御簾中様御用人 布位 500俵 300俵 桔梗
52 木村季文(歌学者) 布位 500俵
60 駿河勤番組頭 布位 500石 300俵 -
65 御納戸衆 布位 500石 -
71 勘定吟味役 布位 500俵 300俵・乗物代30両
奥詰御小姓衆
御小姓頭取
二条城御定番
御大工頭
95 京都御大工頭中井岡次郎 納戸
105 御番医師(小普請世話役取扱) 10人扶持 -

 この五百石級からは元禄以降、大抵が知行所(実際の領地)持ちで領土は大体三十〜四十軒の小さい村くらいある
 中堅の旗本としてかなり重要な役職につく者も多く心がけと能力次第では出世の道も開かれていた
 例外的に御小姓の格式は高く、五百石ながら五位の位に序せられ火付盗賊改や目付よりも序列は上であった。
 また勘定吟味役はたたき上げ御家人の出世のひとつの到達点であり、布位役である勘定吟味役につけば基本家禄が百俵にまで加増された。
六百石級
軍役:本人(馬上)・侍3・立弓・鉄砲・甲冑持・槍持・馬の口取り2・草履取・挟箱持・小荷駄2:計十四人
役職 大概順
位階 役高 御役料 殿中席
77 小堀主税(茶道) 布位 600石 1000俵 躑躅
2 大番組頭 600俵 桔梗
3 新御番組頭 600俵 躑躅

 六百石にもなると上記の郎党以外にも留守の侍や下男下女がおり、その取締りとして家老的立場の用人が地行所の連絡事務、収貢などの責任者をも統括している場合がある。
 無役で小普請組に入ると年に十二両を収めねばならずなかなかの出費であるが御役につくとその役柄での出費が結構多くやっぱり厳しい
 屋敷は七、八百坪
七百石級
軍役:本人(馬上)・侍4・立弓・鉄砲・甲冑持・槍持2・馬の口取り2・草履取・挟箱持・小荷駄2:計十六人
役職 大概順 位階 役高 御役料 殿中席
48 意安法印(医師・薬師) 布位 700石
62 西丸御裏御門番頭 布位 700俵 躑躅
66 御船手
布位 躑躅
67 二丸御留守居 布位 焼火
68 御納戸頭 布位 焼火
69 御腰物奉行 布位
歩兵総目付(少佐)

 六、七百石クラスになると知行地もそれなりにある為下男、下女を領地から引っ張ってこれるため割合生活が楽になる。その為無理をして役職につく事も無い為あんまり精進していない武士が多く役に立たない事が多かった
 無役で小普請組に入ると年に十四両を収める
八百石級
軍役:本人(馬上)・侍4・立弓・鉄砲・甲冑持2・槍持2・馬の口取り2・草履取・挟箱持・沓箱持・小荷駄2:計十八人
役職

 この人数になると小荷駄の量も多くなり駄馬が三、四頭必要になる為、馬の草履を入れる沓箱持ちが必要になる。
 知行所もだいたい二ケ村程にわたっている為、使用人や侍は知行所から使い安上がりにしている為、百石などで二人雇うよりもはるかに楽であった
 屋敷は八、九百坪
九百石級
軍役:本人(馬上)・侍5・立弓・鉄砲・甲冑持2・槍持2・馬の口取り2・草履取・挟箱持2・沓箱持・小荷駄2:計二十人
役職

 普通に生活する分には問題の無い収入ではあるが昇進目当てで活動しだすと途轍もなく厳しくなってしまう。無理に猟官運動を行うと某暴れん坊な将軍様に出てくる幕臣のように商人と結託して・・と言いたい所ではあるがこのクラスではまだそこまで利権ももっていないので使用人の給料をピンハネしたり武家屋敷には町奉行所の手が入らないのをいいことに博徒に所場を貸し出したりしたりとセコい手でゼニを集めるのである。しかしこうした武士に限って武芸や能力はからきしで勤めもよろしくない