■公家官職一覧
官位は相当ですのでこれを超える、例えば兵衛尉(従六位上相当)で従五位の者なども多数おります
( )内の数字は定員になります

(令外官)は律令官制に規定のない新設の官職

摂政(令外官) 「摂(と)り行う」「天下の政を摂行する」意で天皇に代わって政務をとり、天皇が幼い場合や政務が取れない場合、勅命により任命された。 元々は大臣に付随して兼務する官職(左大臣摂政など)であったが天皇輔弼が多事である為に職事官である大臣を辞任して摂政のみを占める散官(位のみで職事なし)になった。
 官奏(諸国からの上申文書を太政官の筆頭公卿が天皇御前で披露し、意見を奏上して天皇からの裁可を仰ぐ)を覧ずることと除目・叙位(官職の任命・位階を与える)を行うことを執り行った。待遇は准三宮(太皇太后、皇太后、皇后の三后に准じた皇族同等)とされ、天皇即位の儀式の際などは公卿の列に加わらず母后と共に御簾の内で儀式を執り行う等その為権力は絶大で自分の都合のよい公卿を官奏候侍者に選んだり、太政官の政務を行わせたりした。
関白(令外官) 「関(あず)かり白(もう)す」の意で天皇への奏上、天皇からの命令もすべてに関与する。摂政とは違い全権を握っているわけではなく、天皇と協議をはかり政務を行ったが、内覧(天皇に奉る文書や、天皇が裁可する文書など一切を先に見ること)の権限を有している為、関白が事前にその内容を把握・関与することによって天皇、議決機関である太政官を統制する事ができた。ただし慣例として太政官の会議に参与する事はできなかった。
内覧(令外官) 「内々に覧る」の意で天皇への奏上、天皇からの仰せをあらかじめ覧る事ができる
大臣などに付随する役職で摂政・関白ではない大臣や納言級に与えられ政務に参与させた。上記関白の欄の通りの権限を有しており関白が太政官の会議に参与しない慣例があるのとは違い、藤原道長などは左大臣内覧として二十年間の長きにわたり太政官を内側から動かし政治的実権を握っていた。この為実質的な権限としては関白以上であったといえる。

長官(カミ) 次官(スケ) 判官(ジョウ) 主典(サカン) その他
神祇官 伯(従四位下)(1) 大副(従五位下)(1)
少副(正六位下)(1)
大佑(従六位上)(1)
少佑(従六位下)(1)
大史(正八位下)(1)
少史(従八位上)(1)
神琴師(正六位)
権神琴師
史生(4)
官掌(2)
使部(30)
直丁(2)
年預
公文
神部(30)
宮主
卜部(20)
御巫(5)
戸坐
神琴生
神笛生
祭祀を司る官であり全国の官社や祝部を統括。独立機関で諸官の最上位に位置したが実際には行政権限においては太政官より下位であり神祇官の任官なども太政官が決定していた、
太政官 太政大臣(正従一位)
左大臣(正従二位)
右大臣(正従二位)
内大臣(正従二位)
(令外官)
大納言(正三位)
中納言(従三位)(令外官)
参議(正四位下)
(令外官)
左大弁
(従四位下)(1)
右大弁
(従四位下)(1)
左中弁
(正五位上)(1)
右中弁
(正五位上)(1)
左少弁
(正五位下)(1)
右少弁
(正五位下)(1)
少納言
(従五位下)(3)
左大史
(正六位上)(2)
右大史
(正六位上)(2)
大外記
(正七位上)(2)
左少史
(正七位上)(2)
右少史
(正七位上)(2)
少外記
(従七位上)(2)
巡察使
史生(各10)
左右弁局・使部(各80)
少納言局・使部(43)
左右弁局・直丁(各4)
八省を統括する最高機関として政治を司る。通常は左大臣を首班、右大臣を補佐とし大臣不在、左大臣、右大臣が摂政になった際などは大納言の筆頭である一の大納言(一の上卿)が首班代理となる政治決定機関である。参議以上である議政官と事務機関である少納言局・左弁官局・右弁官局および臨時監察官である巡察使に分かれた。
少納言局(外記局は)主に文章の清書、除目、叙位、その他儀式を担当し弁局は文書作成、各省や諸国からの朝集を管理監督。さらに太政官内の監査も勤める重職の為、参議などが兼任で弁官を勤める場合もありました
また左弁官局は中務、式部、民部、治部を管轄、右弁局が兵部、形部、大蔵、宮内を管轄した。
 太政大臣、左大臣、右大臣は中国の司徒、司空、太尉と並び称され三公と呼ばれた。
 中納言までは護衛、質人が公費でつけられた。
八省 中務(なかつかさ)省 卿(正四位上) 大輔(正五位上)(1)
少輔(従五位上)(1)
大丞(正六位上)(1)
小丞(従六位上)(2)
大録(正七位上)(1)
少録(正八位上)(3)
大監物(従五位下)1名
中監物(従六位上)4名
少監物(正七位下)4名
監物主典(従七位上)
大主鈴(正七位下)
小主鈴(正八位上)
大典鑰(正八位上)
少典鑰(従八位上)
省掌(2)
史生(20)
使部(70)
直丁(10)
禁中の政務を司り天皇の側まわりの事務、及び、詔勅・宣下などを担当。かなりの重職の為、長官は親王が勤める場合があり、その場合は実質次官が実務を行った
監物は中務省に属し倉庫の鍵を管理・出納事務の監察に携わった。
また主鈴は駅鈴や印鑑の出納・給付を行った。少納言の実質的監督下に置かれ、儀式等において大変重要視された。
式部省 卿(従四位下)(1) 大輔(正五位下)(1)
少輔(従五位下)(1)
大丞(正六位下)(2)
小丞(従六位上)(2)
大録(正七位上)(2)
少録(正八位上)(2)
省掌(2)
史生(20)
使部(80)
直丁(5)
礼儀や礼式、文官の考課を行い太政官に上申します、授官授位を担当。また各地の郡司の任命も式部省がおこなった
治部省 治部大解部(正八位下)
治部少解部(従八位上)
省掌(2)
史生(10)
使部(60)
直丁(4)
雅楽、御陵、外交を担当し、姓氏戸籍を管理し、僧尼を監督する職
解部(ときべ)は姓氏関係の訴訟を取り扱った。

民部省 省掌(2)
史生(10)
使部(60)
直丁(4)
諸国の戸数人口、田畑、租税、山川、道路などに関することを担当する職
兵部省 省掌(2)
史生(10)
使部(60)
直丁(4)
武官の人事、諸国の兵士、その他軍事一切を担当
刑部省 大判事(正六位下)(
中判事(正六位下)(
小判事(従六位下)(
刑部大解部(従七位下)
刑部中解部(正八位下)
刑部小解部(従八位下)
省掌(2)
史生(10)
使部(80)
直丁(6)
訴訟裁判、処刑を担当する職ですが検非違使が設置されると職掌を奪われてしまいます
解部(ときべ)は訴訟審問を行い、後に判事・刑部卿の再審問を受けた
大蔵省 大蔵大主鑰(従六位下)
大蔵少主鑰(従七位下)
省掌(2)
史生(6)
使部(60)
直丁(4)
金銭貨幣・金銀・珠玉・雑物などの出納、諸国の調、度量衡、売買価格などの管理を担当
宮内省 省掌(2)
史生(10)
使部(60)
直丁(4)
皇家の収支・料地を管理し、宮中の諸用を務め、全ての土木工匠を担当
修理(しゅり)職
大夫(従四位下) 亮(従五位下)(1)
大進(従六位上)(1)
少進(従七位上)(2)
大属(正八位下)(1)
少属(従八位上)(2)
独立した職で主に内裏の修理造営を掌る。
春宮坊 皇太子の家政一般を司る。形式的には諸官庁から独立していたが実際には太政官の管理下におかれた
首都 左右京職 保長
坊令
(少初位下)(各12)
左右使部(各35)
坊長
首都行政機関。首都を東西に分けて東側を「左京(さきょう)」、西側を「右京(うきょう)」と呼ぶ慣わしがあった。このため、京職も左右それぞれに設置されて「左京職(さきょうしき)」・「右京職(うきょうしき)」と呼ばれていた。地方の国司より格式が高く地方官ではなく中央官扱いであった
また行政の補佐として各条ごとに「坊令」、各坊ごとに坊長がおかれ各戸への賦役、徴発、治安活動を行った。
後には五位以上の貴族の家司や諸院諸司の官人を
保長に任命し坊長を指揮させていたが、さらに後には官位や官職とは関係なく、保の在地有力者を保刀禰に任命し治安活動にあたらせた。
京職
被官
市司
(いちのつかさ)

(正六位上)東西各1
佑(従七位下)
東西各1
令史(大初位上)
東西各1
価長(5)
物部(20)
東西・使部(各10)
直丁(各2)
都の東西に置かれていた市を監督し市における不正及び犯罪の防止。交易における度量衡の管理、物価の監視などにあたる他、時に応じて公用に供する物資の調達にもあたったとされている
長官である正は実質五位の者がが任命されていた
式部省
被官
大学寮 頭(従五位下) 助(正六位下) 大允(正七位下))
少允(従七位上)
大属(従八位上)
少属(従八位下)
大学博士
(正六位下)(1)
助教
(正七位下)(2)
算博士
(従七位上)(2)
音博士
(従七位上)(2)
書博士
(従七位上)(2)
明法博士(律学博士)(令外官)
(正七位下)(2)
文章博士(令外官)
(従五位下〜正七位下)
(1〜2)
学生の教育を担当。
学生は原則的に五位以上の子弟ですが八位以上の人の子弟でも希望すれば入れます。

音博士は明経道の学生に経書の白読(漢音)による音読)を教えた。
治部省
被官
雅楽(うた)寮 頭(従五位下) 助(正六位下) 大允(正七位下)
少允(従七位上)
大属(従八位上)
少属(従八位下)
唐学師
高麗学師
百済学師
新羅学師
伎学師
腰鼓師
笛師
横笛師
歌師
舞師
倭舞師
田舞師
五節舞師
使部(20)
歌舞音曲に関することを担当
玄蕃寮 史生(4)
使部(20)
寺院・僧尼、及び、外国公使の接待、在京外国人、鴻臚館の監督を担当
諸陵(しょりょうし)寮 使部(20) 御陵、及び、大喪などの凶礼を担当
喪儀司 正(正六位上) 佑(従七位下) 大令史(大初位上)
少令史(大初位下)
使部(6)
民部省
被官
主税(ちから)寮 頭(従五位下) 助(正六位下) 大允(正七位下)
少允(従七位上)
大属(従八位上)
少属(従八位下)
算士
史生(4)
田租及び穀物倉の出納を担当
主計(かずえ)寮 算士
史生(6)
国家の予算・決算や税収の算出、算定・配分を担当
兵部省
被官
隼人司 正(正六位上) 佑(従七位下) 大令史(大初位上)
少令史(大初位下)
使部(10) 宮門警衛、歌舞の教習、竹製品の製造、その他、隼人に関することを担当
刑部省
被官
囚獄司 正(正六位上) 佑(従七位下)
大令史(大初位上)
少令史(大初位下)
刑部省の配下で、囚人・獄舎を担当。非常に人気の無い職務で長官に就く者は殆どおらず空席になっている場合が多かったようです
大蔵省
被官
織部司(おりべし) 正(正六位上) 佑(従七位下) 大令史(大初位上)
少令史(大初位下)
使部(6)
物受
挑文師
織手
大蔵省の配下で、織物・染物を担当
某漫画の主人公が織部正に任官される際秀吉に弾正や大蔵より格下の名〜といわれていますがもともとが大蔵被官で従六位の官位だからです
宮内省
被官
大膳職 大夫(従四位下) 亮(従五位下)(1) 大進(従六位上)(1)
少進(従七位上)(2)
大属(正八位下)(1)
少属(従八位上)(2)
使部(30)
直丁(2)
臣下などへ下賜する饗膳などの調理、調達を担当
木工寮(もくりょう) 頭(従五位下) 助(正六位下) 大允(正七位下)
少允(従七位上)
大属(従八位上)
少属(従八位下)
使部(20) 各種職工を配下に置き、修理職と協力し造営、及び材木採集を担当。結構忙しい職務です
典薬寮 侍医
医博士
女医博士
針博士
按摩博士
呪禁博士
針師
按摩師
呪禁師
使部(20)
医薬診療、薬園管理を担当
大炊寮 使部(20) 神事・仏会その他宴会などの際の調理、諸司の食料、また諸国から収納される米や天皇の料地などの支配も担当。役得の多い職務で人気は高かった
主殿寮 使部(20) 主殿の燈燭・薪、炭、油、天皇の湯浴み、庭掃除などを担当
掃部(かもん)寮 使部(6) 儀式での掃除や式場設営、畳・簾・などの調度設営などを担当
正親司 正(正六位上) 佑(従七位下) 大令史(大初位上)
少令史(大初位下)
使部(10) 皇族の名簿を担当
内膳司 使部(10) 供御の調理を担当。司は毒見も兼ねます
造酒司 酒部
使部(12)
酒造りを担当。ンフフ
采女司 采部(6)
使部(12)
後宮に勤める采女の支配、名簿や進退記録の管理、及び、采女の月料養田に関する事務を担当
主水(もいとり)司 使部(10) 飲料水、及び、氷室(天然氷の冷蔵庫)、粥を担当
内染司 使部(6)
土工司 使部(10)
園池司 使部(6) 宮内の庭園を担当
筥陶司 使部(6)
中務省
被官
中宮職 大夫(従四位下) 亮(従五位下)(1) 大進(従六位上)(1)
少進(従七位上)(2)
大属(正八位下)(1)
少属(従八位上)(2)
使部(30)
直丁(3)
後宮の事務一切を担当
大舎人寮 頭(従五位下) 助(正六位下) 大允(正七位下)
少允(従七位上)
大属(従八位上)
少属(従八位下)
使部(20) 禁中に宿直して雑事に従事し、行幸のときには供奉する他、大舎人に関する事務を担当
図書(ずしょ)寮 使部(20) 書籍のことを担当する職務で主に国史を撰修し、朝廷の書籍、仏経、仏像などを管理した
内蔵(くら)寮 使部(20) 配下に所属する各種の職工に命じて、工匠営作と儀式の際の装飾を担当
縫殿寮 使部(20) 天皇・皇后の衣類の裁縫、及び、女官の考課を担当
陰陽寮 陰陽博士
(正七位下)(1)
天文博士
(正七位下)(1)
陰陽師
(従七位上)
暦博士
(従七位上)(1)
漏刻博士
(従七位下)(1)
使部(20)
風雲・天文・暦数・時刻の観察判断や卜筮、吉凶を判断、及び学生(陰陽師のみ)の教育を担当
内匠寮
(ないしょうりょう)
使部(20) 天皇・皇后の装束、諸社に奉幣する料物、天皇の座所に近い倉庫の管理を担当。要職であり前途有望な人物が任命されたようです
内記局 大内記(正六位上)(1)
少内記(正七位上)(2)
詔勅・宣命を作成。内記の作った詔書を検討修正するのが太政官の「外記」になります
監物(けんもつ) 大監物(従五位下)
(1)
少監物(正七位下)(4)
監物主典(従七位上) 史生(4) 大蔵省、内蔵寮などの出納に立ち会い
主鈴(しゅれい) 大主鈴(正七位下)(2)
少主鈴(正八位上)(2)
駅鈴伝符を出納する職です
典鑰
(てんやく)
(かぎのつかさ)
大典鑰(従七位下)(2)
少典鑰(従八位上)(2)
監物と共に、倉庫の管鑰を女官から借返する職です
侍従 侍従(従五位下相当)
(8〜20)
天皇の側近であり近衛武官であったが後々には名誉職になってしまう。太政官などが兼任する事が多かったようです
内舎人(うどねり) 帯刀宿衛、供奉雑使、駕行時の護衛と天皇の身辺警護にあたった。詰め所は中務省の東北隅。定員は90人。近衛兵であり大臣、納言や四位、五位の子息や孫の中で容姿が良い人を選抜して任命されました
春宮坊
被官
主膳監 正(従六位上) 佑(正八位下) 令史(少初位上) 膳部〈かしわでべ〉(60)
使部(6)
直丁(1)
駆使丁(20)
東宮に関わる飲食を掌るものだったが、平城天皇の代に主漿署(しゅしょうしょ)を併合してこれらの職掌も代行するようになった。
主蔵監 膳部〈かしわでべ〉(60)
使部(6)
直丁(1)
駆使丁(2)
禁中における内蔵寮に相当し、東宮に関わる宝器・衣類・錦綾・食物・嗜好品等の管理を担当
主馬署 首(従六位下) 令史(少初位下) 東宮(皇太子)に関わる馬、鞍具の類を担当したものと思われる。
主工署 工部(6)
使部(6)
直丁(1)
駆使丁(60)
東宮に関する土木工作や銅鉄などの工作物を担当
主殿署 殿掃部(20) 東宮に関わる湯沐、燈燭、洒掃、鋪設のことを担当
警察
弾正台 尹(いん)
(従四位上)
大弼(だいひつ)
(従四位下)
少弼(しょうひつ)(正五位下)
大忠(正六位上)
少忠(正六位下)
大疏(だいそ)
(正七位上)
少疏(しょうそ)
(正八位上)
史生(6) 独立の官で、違法の糾弾・弾劾を担当
時代が下ると検非違使に職権を奪われ、有名無実の官となります。長官である弾正尹は実際には親王や従三位以上の納言が兼任しました
六衛府 左右近衛府 左・右近衛大将
(従三位)
左・右近衛中将
(従四位上)(1〜4)
左・右近衛少将
(正五位下)(2〜4)
将監(しょうげん)
(正六位上)(1〜10)
将曹(しょうそう)
(正七位下)(4〜20)
府生(各6)
番長(各6)
府掌
吉上
近衛(各300
内裏内の警衛、禁門の警衛、天皇の侍衛を担当する令外の官。近衛部隊ですので武芸に秀でた人物が任命されていましたが後々には下級近衛などは神楽の方が本職となってしまい舞人や楽人が任命されました。
近衛将官(大将〜少将)はかなりの重責で大臣や納言が兼任する事が多かったようです
左右兵衛府 督(従四位下) 佐(従五位上) 大尉
(従六位上)(各1〜25)
少尉
(正七位上)(各1〜25)
大志
(正八位下)(各1)
少志
(従八位上)(各1)
番長(各6)
案主
府掌
兵衛(各200〜400)
内裏周囲の警衛、及び、行幸・行啓の際の供奉・雑役を担当。
督はおおむね中納言、参議などが兼任し
兵衛は六位〜八位の人の嫡子で武勇に優れまだ官職に就いていない人物を配属したようです
左右衛門府 大尉
(従六位上)(各2〜60)
少尉
(正七位上)(各2〜60)
大志
(正八位下)(各2)
少志
(従八位上)(各2)
府生(6)
番長(6)
府掌
門部
吉上
物部
衛士(各600)
大内裏内、宮城や諸門、八省院、大極殿などの警衛を担当し、夜警及び、行幸の際の供奉を担当
検非違使は、この衛門府の役人の兼任職と定められていましたが全員が全員兼任していたわけではありません
こちらの督も中納言、参議などが兼任し衛士は各国の軍団から毎年交代で上京させた兵士が任務につきます
その他
武官
左右馬寮 御監(ごげん)
頭(従五位下)
助(正六位下) 大允
(正七位下)(1〜30)
少允
(従七位上)(1〜30)
大属(従八位上)
少属(従八位下)
使部(20)
馬医(従八位上)
馬部(60)
独立の官で御所や諸国の牧場の馬、馬の調教飼育、馬具、飼い葉の配給及び馬具に関することを担当。軍事や儀式に必要な場合には必要部署への馬の配分などを行い、また検非違使と共に都の治安維持も行い武官扱いの為帯剣を許されていた。
兵庫寮(典厩) 頭(従五位下) 助(正六位下) 大允
(正七位下)(1)
少允
(従七位上)(1)
大属(従八位上)
少属(従八位下)
使部(20)
史生(4)
使部(12)
儀杖用の武器や実用武器の生産と管理を担当。
検非違使(令外官) 別当
(従四位下)
佐(従五位上)
(2〜4)
大尉
(従六位上)(4)
少尉
(正七位上)(4)
大志
(正八位下)(4)
少志
(従八位上)(4)
府生(4)
案主長(2)
看督長(4)
火長
下部
主に京内の治安維持や衛生などの民政を担当
検非違使長官である別当の命令は勅宣に準ずるというもので、これは捜査活動に政治的圧力が介入しないように与えられたものでしたが絶大な権限が付与されていたようです。
別当は衛門督(従四位下相当)、または、兵衛督(従四位下相当)を兼帯している中納言(従三位相当)・参議(二〜三位相当)以上が宣旨によって補される兼任職
鎮守府(令外官) 鎮守府将軍
(従五位上)
鎮守府副将軍 軍監(正七位上) 軍曹(従八位上)
府掌(1)
鎮守府陰陽師
鎮守府医師(1)
鎮守府弩師(1)
鎮守府{仗(3)将軍随従官
鎮兵
健士(工兵)
陸奥国に置かれた軍府。主に蝦夷地方の治安維持や一部地域の管理を行った。平時におかれる唯一の将軍で時期によって陸奥国司より上位であったり下位であったり国司と権限の重なる部分が多かったりした。鎮守府将軍としては大伴家持、源頼光、清原武則、藤原秀衡などが有名
その他 蔵人所(令外官) 別当(正・従二位
頭(従四位上))
五位蔵人
(正・従五位)
六位蔵人
(正・従六位)
非蔵人(正・従六位)
雑色(8)
出納(3)
小舎人(6〜12)
滝口(10〜30)
所衆(正・従六位)(20)
鷹飼
独立した令外の役所で天皇の家政機関として禁中にあって書籍や御物、天皇の持ち物の出納といった天皇の側向きの用、及び、機密文書の取り扱いや訴訟事を担当した。総裁である別当は左大臣が兼務し左大臣が関白の場合は右大臣が兼任した。実質的なく蔵人の管理、任命は頭が行い二名居る頭は殿上人の中から厳選され、一人は弁官、もう一人は近衛府から選ばれた。彼らの殿上での席次は一番上で頭が着席し話はじめるまで着席も話もできなかった。天皇側近官として権力は絶大であった
勘解由使(令外官) 長官(正五位下) 次官(従五位下)(2) 判官(従六位下)(3) 主典(従七位下)(3) 史生
書生
使掌
使部
地方行政の監査を担当した。国司の任期満了に伴う事務引継ぎが問題なく行われた証として後任国司から前任国司へ勘解状という文書か交付されていたが利権争いが生じ、前任、後任で利権をめぐり紛争が発生し交代の事務引継ぎに不調になり場合が多発した為、前任国司が持ち帰った勘解状の監査を行い審査を行った
斎院司 斎院・斎王(皇女・女王)
斎院勅別当(三位)
長官(従五位下)
次官(従六位上)(1) 判官(従七位上)(1) 主典(従八位下)(2) 女別当 
内侍
宣旨
蔵人
采女
女孺
賀茂大社 斎院に付属する機関で斎院の事務を担当した
斎院は朝夕、賀茂神社の方角に向かって遙拝し、賀茂祭の時に斎王となって上下2つの賀茂神社に参拝することで神への崇敬を表していた。
別当は納言が兼任。
女別当 内侍
宣旨
年預
舎人
女嬬
今良
斎院に仕える蔵人所の職員。女官
初斎院 初斎院別当(正五位下) 天皇即位の度に未婚の内親王の内よりト定された内親王、いない場合は女王が卜定後、雅楽寮や宮内省などを占いにより初斎院と定められ賀茂の河原で禊祓を済ませた後に内裏の一角にある設けられ3年をすごす潔斎所。
野宮 野宮別当 斎王が初斎院を終了した紫野にあるあとに入る潔斎所。3年間潔斎する。
地方庁 大宰府 帥(そち)(従三位)
権帥
大弐(正五位上)
少弐(従五位下)
大監(正六位下)
少監(従六位上)
大典(正七位上)
少典(正八位上)
史生(16〜20)
府掌(2
書生(10)
使部(20〜100)
散仕(100)
仕丁(182)


大宰府主神(正七位下)(1)
博士(従七位下)(1)
陰陽師(正八位上)(1)
医師(正八位上)(1)
算師(正八位上)(1〜2)
検非違使(2)
外交と西国防衛を任務とし西海道九国(九州全土)三島(壱岐、対馬、大隈諸島)の行政、四方司法、掾以下の人事もとりおこないその権限の大きさから、「遠の朝廷(とおのみかど)」とも呼た。その為長官である帥は親王が命じられる場合が多く、実際は次席である権帥(ごんのそち)が実務をおこなうのだが、権帥も高級貴族である為現地に赴く事がなく、その場合は大弐、少弐が実務を司った。(その為後年九州の武家は大弐、少弐の官位を欲していた)権帥としては菅原道真が有名
国司
大国(従五位上)
上国(従五位下)
中国(正六位下)
下国(正七位上)

大国(正六位下)
上国(従六位上)

大国大掾(正七位下)
大国少掾(従七位上)

(従七位上〜従八位下)

大国大目(従八位上)
大国少目(従八位下)

(従八位下〜少初位上)
史生(2〜5)
国博士
学生(20〜40)
医師
医生(20〜40)
弩師
任国の行政・司法・警察以下、国務一切を総轄する職。それぞれの国の収穫高によって大国、上国、中国、下国があり守の官位も違う。また親王国の場合、守は置かれず介が国司を代行し(上野介など)
国司は一定額の租税の国庫納付を果たしさえすれば、朝廷の制限を受けることなく、それ以上の収入を私的に獲得・蓄積することができた為、中級貴族は競って国司に就こうと働きかけをおこなった。
 任期は四年で任期が終わると朝廷において勤務評定の会議(受領功過定)が開かれ、朝廷への納品物の公文書審査、正税の欠損を記した勘解由大勘文に基づいての審査、その他の税金の納入、任国の神社仏閣の破損修理状況などの審査が行われ、過(不通過)、無過(通過)かを公卿全員の意見が一致するまで審議された。この受領功過定を無過で通ると位一階昇進となる。
 後年になると位だけ叙爵(遥授)し現地に赴かない事が多く、(遙任)権守(彼らも殆ど現地に赴かなかった)や介、または国司が自分の代理人で送り込んだ目代が実務を取り仕切った。また現地での最高行政責任者を「受領」と呼び、強大な権限を誇った。
大宰府
被官
大判事(従六位下) 少判事(正七位上) 判事大令史(大初位上)
判事少令史(大初位下)
大宰府に属する役所で大宰府管内の裁判官。罪名の決定と判決を下した。
大工・主工首正(正七位上) 少工(正八位下)(2) 大宰府に属する役所で武具の製作と造船、築城などをおこなった。
防人 正(正七位上) 佑(正八位上) 令史(大初位) 防人 大宰府に属する役所で防人の名簿・糧食・武具・衣服・教育すべてを統括した。後に農民徴募の防人が廃止されたあとは郡司の子弟から徴募した兵士を管理した。
家司(けいし) 一品家令
(従五位下)
職事一位家令
(従五位下)
二品家令
(正六位上)
三品家令
従六位上)
職事正三位家令
(正七位上)
四品家令
(正七位上)
一品家扶(従六位上)
職事一位家扶(従六位上)
二品家扶(正七位上)
三品家扶(従七位上)
四品家扶(従七位下)
一品家大従
(従七位上)
職事一位家大従
(従七位上)
一品家少従
(従七位下)
二品家従
(従七位下
二品文学(
従七位下
職事二位家従
(正八位下)
三品家従
(正八位下)
三品文学
(正八位下)
四品文学
(正八位下)
四品家従
(従八位上)
一品家大書吏
(従八位下)
一品家少書吏
(大初位上)
職事一位家少書吏
(大初位上)
二品家大書吏
(大初位上)
二品家少書吏
(大初位下)
職事二位家大書吏
(少初位上)
職事二位家少書吏
(少初位上)
三品家書吏
(少初位上)
職事三位家書吏
(少初位上)
四品家書吏
(少初位下)
親王・内親王家及び職事三位以上の公卿・将軍家などの家に設置される家政機関。実務機関として政所・侍所・文殿・納殿が置かれた。彼らは大抵他の官職と兼務しており、従五位で家令、受領(国司)として主人である摂関家や公卿に対し経済的奉仕をおこなっていた。
その為初期の幕府は将軍の家政機関であり鎌倉幕府の執権となった北条氏は将軍家の筆頭家司という扱いであった。
装束司 長官
(三位)
次官
(五位)
判官
(六位)
主典
(六位以下)
天皇の行幸・節会・儀式・喪葬・遣唐使などの装束・装飾・設営を担当する臨時官。

地方

各国 郡領 郡司
大領
少領
(小郡には設置されていない)
主政 主帳 書生(3〜6)
案主
税長
駈使
散事
郷長
(郷の長)
里長
(里の長)
国の下にある「郡」を治める郡評・郡衙(ぐんが)の役人。地方豪族が任命される任期の無い終身官。郡内に複数の豪族が拠点を置く場合特定の豪族が郡司を独占しないよう持ち回りで郡司を務めた。養老律令の官位令には郡司が官位相当の対象とされておらず、官位の設定はされていないが中央に推挙された豪族などが郡に戻っていたり反乱討伐で功績があった為に外正六位、外従五位の官位を持っている場合もある。
 また寺社や有力貴族に寄進(米や絹等を賄賂)を行ったり寺社の修復などの功績により外従五位に任じられ従五位に付随する私有地の権利(無位で10町、五位で100町の権利)を手に入れそれを元にさらに地位を狙う者もあらわれた。
郡の規模大きさにより大郡・上郡・中郡・下郡・小郡の等級わけがされており、それにより人員数が違った。また等級によってそれぞれ職田が支給され大領六町、少領四町、主政・主帳二町が支給されていた。

軍団 大毅
タイキ
少毅
ショウキ
主帳
シュチョウ
校尉
コウイ
旅帥
リョウチ
隊正
タイショウ
火長 伍長 各国に1〜2個設置(前線地域では4〜8個)され平時は国司の支配下、大規模な反乱討伐では将軍の指揮下におかれた地方軍。兵員は正丁(せいてい、21〜60歳の健康な男)三人につき一人を兵士として徴発された。
兵士の基本は雑徭60日分として扱われ雑徭(国司徴発によるインフラ、国衙施設の修繕)と庸(京へ上がっての労役、もしくはその代納物として米、布、塩の納入)を免除された。
また武器も自弁とされたが装備の規格統一の為実際は代価を支払い購入し、大毅管理の下軍団兵庫に収蔵された。
通常一個軍団は1000人程であるが基本百人単位の部隊を大まかに編成した為に同じ軍団でも200〜1000人と兵員の数はかなり違ったものであったらしい。
軍団の指揮を行うのは大毅、少毅で主帳が幕僚としてつけられた。軍団の規模により六百人以上の部隊を大毅、五百人以下の部隊を少毅が指揮した。この為六百人の部隊の場合、軍団全体を大毅が指揮し、少毅が大毅の下五百人の部隊を指揮した。
少毅以下の指揮兵力は校尉が二百人、旅帥が百人、隊正が五十人、火長が十人、伍長が五人である。
彼らには特に定まった位階がなく、おもに郡司やその役人、土着した貴族が指揮したと考えられている。
 8世紀末から9世紀にかけて前線地域や重要防衛拠点である陸奥、出羽、佐渡・西海道以外の軍団は廃止され動員が必要な場合は太政官からの「発兵勅符」を得た上で健児を動員する方式となった。
健児
コンデイ
各地に配属された郡司の師弟で編成された騎兵。国の規模によるが20〜100人程が配置されたいた。(陸奥では300人以上)
留守所 目代 判官代
総検校
現地に赴任しない国司にかわって地方役人たちが勤務した役所で目代は国司の側近や家人などが現地に赴いて在庁官人の監督に当たらせた。判官代は現地の豪族が任命され土地の管理や年貢の徴収を行い、総検校も現地豪族が任命され在庁官人を統括した。
有力貴族などは文章能力に秀でた太政官の外記を雇い現地に派遣したりもした。後年平氏が国司になった場合など、家人で優秀な武人を目代として派遣。それぞれの家の軍事力を形成した。
押領使(令外官) 初期に置いては防人の移動などで実際の戦闘指揮は行っていなかったが軍団廃止後、国司や郡司の中で武芸に秀でた人物が任命され、兵の統率管理、群盗の討伐、国内の治安維持にあたっていた。後には地元豪族が任命された。
按察使(令外官) 地方行政を監督する官職で、数カ国の国守の内から1人を選任し、その管内における国司の行政の監察を行った。後には納言級、参議が兼任。
追捕使(令外官) 海賊・凶賊を掃討する目的で設置された警察・軍事的官職。初めは臨時の官職であったが、後に諸国の豪族が任命され常設されるようになった。

臨時官

長官(カミ) 次官(スケ) 判官(ジョウ) 主典(サカン) その他
記録荘園券契所 上卿 開闔
寄人
荘園文書の審査、荘園関係訴訟を担当
問民苦使 問民苦使
(正六位上〜下)
判官 録事 民政の監察のために派遣された臨時の地方監査官。各道(東山・東海道のみ一纏め)に派遣官・判官・録事がそれぞれ一人任命された。
固関使
開関使
固関使
開関使
(従五位下)
内舎人
近衛
従者
固関使は天皇の崩御・譲位、上皇・皇后の崩御、謀反事件、摂関の薨去等の非常事態時に鈴鹿関、不破関、愛発関(後に逢坂関)の三関をを閉鎖する役
開関使は固関使によって閉鎖された関所を解除する役。
護衛として近衛府の近衛、内舎人がつけられた
推問使 推問使
(従五位下)
判官 主典
推訴使 推訴使
(従五位下)
事件が起こった際派遣される。
校田使 校田使
(従四位上)
次官 判官 主典 機内のみに設置され本来は国司の行う班田支給に先立ち田地の位置、面積を検査・調査した。長官は参議級、次官は担当地域の国司が任命された。
班田使 班田使 次官 判官
准判官
主典 {人
史生
算師
班田をつかさどり畿内に派遣され、結果を田図帳を製作して記載し、民部省に提出した。
判官までは護衛官である{人が1〜3人、雑役として従が2〜3人付属された
装束司 長官
(三位)
次官
(五位)
判官
(六位)
主典
(六位以下)
天皇の行幸・節会・儀式・喪葬などの装束・装飾・設営を担当
院司 院別当
(三〜五位)
(院政期正二位)

(五位)
判官代
(六位)
主典代 非蔵人
公文
(六位)
院掌
(六位)
所衆
上北面
(四〜五位)
下北面
西面
もともとは上皇・法皇・女院などの所領・財産などの管理をつかさどる部署で、他の官職との兼務が多かったが院政が開始されると権勢を振るった。